【DeckLink Quad HDMI Recorder】HDMI同時4入力を可能にするキャプチャーカード

HDMI同時4入力が可能な拡張カードDeckLink Quad HDMI Recorderについて、OBS Studioでの使用実例を交えて解説します。

2020/12/10
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こんにちは、田中司恩(@tnk4on)です。この記事はBlackmagic Advent Calendar 2020の10日目の記事になります。

DeckLink Quad HDMI Recorderとは

DeckLink Quad HDMI Recorder は 2019年3月5日にリリースされたDeckLinkシリーズの最新の製品です。

4系統の独立したHDMI 2.0b入力を搭載した全く新しいPCIeキャプチャーカードで、SD、HD、Ultra HD、4K DCI、さらにはコンピュータービデオフォーマットをあらゆる組み合わせで同時にキャプチャーできる。

引用:プレスリリース

なんと言っても特徴は1枚のカードで4つのHDMI入力を備えている点です。しかも各HDMI入力は独立して動作し、最大4Kの解像度でビデオキャプチャが可能です。

ハードウェアスペック

  • HDMI
    • HDMI 2.0bビデオ入力 :4
    • HDMIオーディオ入力:8チャンネルエンベデッド(SD/HD/UHD/4K)
  • コンピューターインターフェイス
    • PCI Express x8 Gen3
    • x8/x16 スロットに対応

DeckLink – 仕様 | Blackmagic Design

注意点

DeckLink Quad HDMI Recorderを使うに当たっての注意点をいくつか挙げます。

マニュアルにDeckLink Quad HDMI Recorderについての記載は無い

ウェブサイト上でリンクされているマニュアルは「Desktop Video(DeckLink, UltraStudio, Intensity)」になります。しかしながら最新の2020年10月版にもDeckLink Quad HDMI Recorderに関する記載はありません。

PCI-E x8 対応の空きスロットが必要

拡張性が少ないデスクトップ機の場合、マザーボード上の空きポートは x1スロットしか無いということがあります。DeckLink Quad HDMI Recorderを使用するにはグラフィックカード用途以外に別途 x8(またはx16スロット)の確保が必要です。

付属品は何も無い

パッケージには本体カード以外の同梱物はありません。マニュアルにも取り付け方法の記載もないので本製品は上級者向けの製品として位置付けられていることが分かります。

Desktop Videoソフトウェアのインストール

ハードウェアの取り付け後、OSにカードを認識させるためにはドライバーのインストールが必要です。ウェブサイトで公開されているDesktop Videoソフトウェアにはドライバー以外の関連アプリケーションも含まれており、パッケージをインストールするだけで環境が整います。また、マニュアルの「Desktop Videoソフトウェアのインストール」の項目にOSごとの同梱されるアプリケーション、プラグイン、ドライバーの一覧が掲載されています。

Windowsの場合、カード取り付け直後は不明なデバイス扱いです。Desktop Videoソフトウェアのインストールによって正常にOSカードが認識されます。デバイスマネージャーで確認するとDeckLink Quad HDMI Recorder(1)から(4)の名前でデバイスが登録されているのが確認できます。

Desktop Videoインストール後、ドライバ適用済み

Desktop Videoインストール後、ドライバ適用済み

OBS Studioでの利用

ライブ配信においてDeckLink Quad HDMI Recorderを活用するにはOBS Studioの利用がオススメです。利用に当たって特別な操作は無く、OSにカードが認識されている状態でOBS Studioを起動するだけです。映像ソースとして利用する場合は映像キャプチャデバイスではなくBlackmagicデバイスを利用します。

Blackmagicデバイスとして認識

Blackmagicデバイスとして認識

デバイス欄から(1)〜(4)のHDMI入力を選択可能

デバイス欄から(1)〜(4)のHDMI入力を選択可能

HDMI同時4入力使用例

HDMI同時4入力使用例

Windows版OBSの場合、映像キャプチャデバイス選択時はDirectShowを利用したビデオキャプチャを行います。対してBlackmagicデバイス選択時はBlackmagic Design提供のSDKを利用したビデオキャプチャとなり、汎用的なドライバ/APIを経由した方法と比べ互換性の面で優れています。詳細はOBS StudioのWiki、Sources GuideのBlackmagic Deviceの項目に記載があります。

Wiki – Sources Guide | OBS

(参考)上記WikiではOBS Studioで使用可能なソースについて解説が詳細に載っています。

ユースケース

DeckLink Quad HDMI RecorderはATEMシリーズのようなハードウェアによるスイッチングではなく、OBS Studioを中心としたソフトウェアベースでのスイッチングワークフローでとても便利です。また、HDMI映像ソースをUSBキャプチャデバイスなどを経由することなく、直接コンピュータに4入力までできるのはスペース削減にもメリットがあります。デスクトップ機での利用が前提となるので機材の移動を伴わないスタジオ内や副調整室的な場所での稼働が想定されます。

  • 常時4分割の画面を構成し、OBS Studioで作成したテロップを合成したい

というニーズには非常にマッチするのではないでしょうか。

まとめ

今回はDeckLink Quad HDMI Recorderについて解説しました。製品ハードウェア自体はシンプルですが、導入に当たっては詳細な情報がなく上級者向けのデバイスとなっています。一度動作できる状態になるとそこはやはりBlackmagic Design、非常に高い性能を発揮します。また、OBS Studioと組み合わせることで簡単にHDMI同時4入力の画面を構成することができます。これはATEM Miniシリーズとは違ったコンピューターベースでのライブ配信ワークフローの大きなメリットではないでしょうか。HDMI同時4入力を生かすことでまだまだライブ配信の可能性を広げていくことができると考えます。

 

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