【ライブ配信】何度も訪れる「元年」

ライブ配信に何度も訪れてきた「元年」。今までと2020年の「元年」の違いを探ります。

2020/12/06
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生屋 頭取 @shindoy です。この記事は ライブ配信 Advent Calendar 2020 の6日目の記事になります。

ライブ配信の「元年」は(まるで閉店セールのように)過去に何度も訪れてきました。しかし、2020年に訪れた3回目の「元年」は過去と大きく違っています。ライブ配信の登場と普及を時系列に追い、今年(2020年)に訪れた「元年」がなぜ過去と大きく違うのか?を紐解いてみたいと思います。

ライブ配信「元年」(1) 「Ustream」

2010年、日本での動画共有サービス「Ustream」の展開で大きな動きが連続しました。1. ソフトバンクによるUstream社への出資、2. テレビ・ラジオ番組との連携 3.大規模な音楽ライブ配信です。またこの時期に自分も最初の起業(会社設立)を行ったのですが、IT業界の知人がUstreamをユーザーコミュニティのイベントを中継したり、代行会社を立ち上げていました。

2010年1月29日、ソフトバンクから約2,000万ドル(約18億円、出資比率13.7%)の出資を受け入れ、日本中国を中心としたアジア事業の本格化を進めている。4月27日に予定を前倒しして日本語版が提供開始され、5月18日には「Ustream Asia」を、TVバンク(ソフトバンクの100%子会社)60%、米Ustream32%、DCMベンチャーズ(ファンド)8%の出資比率で設立することが発表された。

日本でも、個人単位で情報発信するユーザーが増え、TBSテレビ「地球同時多発情報SHOW 革命×テレビ」、BSジャパン「デキビジ」などテレビ・ラジオ番組とUstreamを連動させた事例も増加している。2011年3月の東日本大震災ではNHKTBSニュースバードテレビ神奈川フジテレビなど13のテレビ・ラジオ放送局が番組再配信を実施。視聴回数はのべ680万回を超えた。

2010年12月8日、「Ustream Asia」は横浜アリーナで行われた宇多田ヒカルのコンサート「WILD LIFE」公演のライブ動画配信を実施。過去最高の34万5千人のユニーク視聴者数となった。また2011年8月28日に行われた2011年民主党代表選挙の動画配信を実施し、過去最高の57万8千人のユニーク視聴者となった

出典:Wikipedia「Ustream」

また2011年、東日本大震災時にテレビ局が一般人による放送のコピー配信(サイマル配信)を「有事である」という理由で黙認していた事実もありました。当時は地デジの移行真っ最中でまだ十分に地デジ視聴環境が浸透しておらず、TV視聴が困難な問題に対処するためです。つまり、一時期はインターネットによるライブ配信がテレビに代わる「社会インフラ」になっていました。

出典:数多くの英断が生み出した、テレビ番組のネット配信
出典:テレビはいらない?!~急成長するインターネット放送~

ライブ配信「元年」(2) スマホ移行期

2016年前後は、様々な配信プラットフォームの本格的な登場がありました。FaceBook Live、Twitter(Periscope)、LINE LIVEなどが普及し始め、視聴デバイスがPC/Macから「スマホ」にシフトし始めた時期でした。

2016年はライブ動画元年? 今話題のSNS動画配信

出典:2016年はライブ動画元年? 今話題のSNS動画配信

また(純粋な「ライブ配信」ではなく「ビデオ会議システム」ですが)Zoomもアップデートを重ね、2015年末までには同時参加者可能数が最大25人から50人になりました。

出典:eWeek Zoom Doubles Capacity of Video Conferencing Service to 50

ライブ配信「元年」(3) 2020年「YouTubeライブ」

2020年は説明の必要がないほど、まさに「3度目の正直」といえる「元年」になりました。誰もが容易にZoom上から数ステップでYouTubeライブが行える時代が到来しました。今回の「元年」は過去2回とは大きく異なっています。それはライブ配信が、

・必要不可欠な手段になった(必然性)
・世界同時に急速に普及した(同時性)
・立場の違いを取り払った(無境界性)

ということです。過去の「元年」は「一過性」だったとも言えます。今年(2020年)の「必要不可欠な手段」としての流行は、それが無いと命にかかわり、それが世界同時に起き、今まで使ったことがない・知らなかった人も(ライブ配信に)触れる機会ができた、という観点で大きく異なっています。

学校教育の現場における混乱など社会の構造変化に対応していくうえでの課題もありますが、この動きが取れない状況下においても「情報伝達」「意思決定」「ネットワーキング活動」など活用される場面は飛躍的に増大しています。もしいま街角インタビューで、

「ビデオ会議」を知っている
「ビデオ会議」をしたことがある
「ライブ配信」を知っている
「ライブ配信」を観たことがある
「ライブ配信」をしたことがある

というアンケートを取ってみたら、かなりの人が最低限は「知っている」の段階に来たといえるのではないでしょうか。

まとめ

過去に何度も訪れた「元年」ですが、今年(2020年)は普及の範囲と速度においては最も確定的なものだといえます。リアルタイムなインタラクション(双方向性の行動・行為)をもって「ライブ配信」だとするならば、Zoomによる限られた参加者のなかで執り行われる「ビデオ会議」も「対象限定のライブ配信」といえます。来年(2021年)のライブ配信がどうなるのか、展開が非常に楽しみです。

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